○宇治市指定文化財指定(認定)の基準に関する規程

昭和56年10月1日

教育委員会告示第19号

昭和44年4月17日教育委員会告示第2号(制定)

(趣旨)

第1条 この規程は、宇治市文化財指定条例施行規則(昭和44年宇治市教育委員会規則第3号)第25条の規定に基づき、宇治市指定文化財指定(認定)の基準を定めるものとする。

(宇治市指定有形文化財)

第2条 宇治市指定有形文化財の指定の基準は、第2項から第7項までに定めるところによるものとする。

2 書跡、典籍、古文書類

(1) 書跡類は、写経、宸翰、和漢名家筆跡、古筆、墨跡、法帖等で、書道史上の代表と認められるもの又は史料的に価値の高いもの

(2) 典籍類のうち写本類は、和書、漢書、著述稿本、聖教等に分け、その写本、古写本又は系統的、歴史的にまとまつている重要なもの。版本類は、和漢古刻史上の代表であつて、まれな遺品とし金蔵又は残欠の少ないもの

(3) 古文書類は、歴史上重要と認められるもの及び相当数まとまつている史料的価値の高いもので、日記、記録類は、学術的価値の高いものの原本又はこれに準ずるもの。洋書、西域出土本類は、学術的価値の高いもの

3 絵画、彫刻類

(1) 各時代の遺品のうち、宇治市及び宇治地方(以下「宇治市」という。)の文化史上貴重なもの

(2) 宇治市の絵画、彫刻史上特に重要な資料となるもの

(3) 題材、品質、形状又は技法等の点で特異性のあるもの

(4) 特殊な作者、流派又は地方様式等を代表する優秀作と認められるもの

(5) 渡来品で宇治市の文化にとつて特に意義があるもの

4 工芸類

(1) 各時代の遺品のうち製作が特に優秀なもの

(2) 宇治市の工芸史上又は文化史上特に重要なもの

(3) 形態、品質、技法又は用途等が特に意義深いもの

(4) 渡来品で宇治市の工芸史上特に意義深いもの

5 考古資料類

(1) 石器、土器、骨角牙器、木製品、玉類、土偶、土版等の石器時代の遺物で、特に学術的価値の高いもの

(2) 銅鐸、銅剣、銅鉾を始め、金石併用時代の遺物と認められる学術的に貴重なもの

(3) 古墳その他の遺跡の出土品又は特異なもので、学術的価値の高いもの

(4) 古墳以後の制に係る墳墓、飛鳥・奈良朝以後の寺跡、経塚等の出土品で学術的に貴重なもの

(5) その他宗教、教育、学芸、産業、政治、軍事、生活等の遺跡の出土品又は遺物で、歴史的意義が深く、学術資料と認められるもの

6 歴史資料類

(1) 政治、経済、社会、文化等宇治の歴史上の各分野における重要な事象に関する遺品のうち学術的価値の特に高いもの

(2) 宇治市の歴史上重要な人物に関する遺品のうち学術的価値の特に高いもの

(3) 宇治市の歴史上重要な事象又は人物に関する遺品で歴史的又は系統的にまとまつて伝存し、学術的価値の高いもの

(4) 渡来品で宇治市の歴史上意義が深く、かつ、学術的価値の特に高いもの

7 建造物類 建築物、橋梁等の各時代建造物、遺構及びその部分並びに建造物の模型、厨子、仏壇、墓、標碑等で、建築、建造的技法になるもののうち次の各号の一に該当するもの

(1) 意匠的に優秀なもの

(2) 技術的に優れたもの

(3) 歴史的価値の高いもの

(4) 学術的価値の高いもの

(5) 流派的あるいは地方的特色の顕著なもの

(宇治市指定無形文化財)

第3条 宇治市指定無形文化財の指定の基準は、第2項から第4項までに定めるところによるものとする。

2 芸能類 音楽、舞踊、演劇その他の芸能のうち次の各号の一に該当するもの

(1) 芸術上特に価値の高いもの

(2) 芸能史上特に重要な地位を占めるもの

(3) 芸術史上価値が高く、又は芸能史上重要な地位を占め、かつ、地方的又は流派的特色があるもの

(4) 芸能又は技法の表現に伴う技能で優秀なもの

(5) 芸能又は技法の表現に欠くことのできない用具等の製作、修理等の技術で優秀なもの

3 工芸技術類 陶芸、染織、漆芸、金工その他の工芸技術のうち次の各号の一に該当するもの

(1) 芸術上特に価値の高いもの

(2) 芸術に資する技術として特に重要なもの

(3) 工芸史上特に重要な地位を占めるもの

(4) 芸術上価値が高く、芸術に資する技術として貴重であり、又は工芸史上重要な地位を占め、かつ、地方的特色が著しいもの

(5) 有形文化財の修理、模写、模造等の技術その他美術に関する技術で特に価値の高いもの

4 技能類 生産、生業、教養、趣味、嗜好、生活、遊戯その他の生活文化に関する技能のうち次の各号の一に該当するもの

(1) 宇治市の生活文化史上顕著な特異性を示すもの

(2) 生活文化史上価値が高く、かつ、地方的又は流派的特色が顕著なもの

(宇治市指定無形文化財保持者及び保持団体)

第4条 宇治市指定無形文化財保持者(以下「保持者」という。)及び保持団体の認定の基準は、第2項から第4項までに定めるところによるものとする。

2 芸能類

(1) 宇治市指定無形文化財に指定される芸能、芸能の技法又は技能若しくは技術(以下単に「芸能等」という。)を高度に体現できる者を保持者として認定することができる。

(2) 芸能等を正しく体得し、かつ、これに精通している者を保持者として認定することができる。

(3) 2人以上の者が一体となつて芸能等を高度に体現している場合において、これらの者が構成している団体の構成員を保持者として認定することができる。

(4) 芸能等の性格上個人的特色が薄く、かつ、当該芸能等を保持する者が多数いる場合において、これらの者が主たる構成員となつている団体を保持団体として認定することができる。

3 工芸技術類

(1) 宇治市指定無形文化財に指定される工芸技術(以下単に「工芸技術」という。)を高度に体得している者を保持者として認定することができる。

(2) 工芸技術を正しく体得し、かつ、これに精通している者を保持者として認定することができる。

(3) 2人以上の者が共通の特色を有する工芸技術を高度に体得している場合において、これらの者が構成している団体の構成員を保持者として認定することができる。

(4) 工芸技術の性格上個人的特色が薄く、かつ、当該工芸技術を保持する者が多数いる場合において、これらの者が主たる構成員となつている団体を保持団体として認定することができる。

4 技能類

(1) 宇治市指定無形文化財に指定される生活文化の技能(以下単に「技能」という。)を高度に体得している者を保持者として認定することができる。

(2) 技能を正しく体得し、かつ、これに精通している者を保持者として認定することができる。

(3) 2人以上の者が共通の特色を有する技能を高度に体得している場合において、これらの者が構成している団体の構成員を保持者として認定することができる。

(4) 技能の性格上個人的特色が薄く、かつ、当該技能を保持する者が多数いる場合において、これらの者が主たる構成員となつている団体を保持団体として認定することができる。

(宇治市指定民俗文化財)

第5条 宇治市指定民俗文化財の指定の基準は、第2項から第6項までに定めるところによるものとする。

2 次の各号に掲げる有形の民俗文化財のうち、その様態、製作技法、用法等において宇治市民の歴史的、地理的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの

(1) 衣食住に用いられるもの

(2) 生産、生業に用いられるもの

(3) 交通、運輸、通信に用いられるもの

(4) 交易に用いられるもの

(5) 社会生活に用いられるもの

(6) 信仰に用いられるもの

(7) 民俗知識に関して用いられるもの

(8) 民俗芸能、娯楽、遊戯に用いられるもの

(9) 人の一生に関して用いられるもの

(10) 年中行事に用いられるもの

3 前項各号に掲げる有形の民俗文化財の収集でその目的、内容等が次の各号の一に該当し、特に重要なもの

(1) 歴史的変遷を示すもの

(2) 時代的特色を示すもの

(3) 地域的特色を示すもの

(4) 生活階層の特色を示すもの

(5) 職能の様相を示すもの

4 他地域及び民族に関する前2項に掲げる有形の民族文化財又はその収集で宇治市民の生活文化との関連上特に重要なもの

5 無形の民俗文化財のうち風俗慣習に係るもので次の各号の一に該当し、特に重要なもの

(1) 由来、内容等において宇治市民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの

(2) 年中行事、祭礼、法会等の中で行われる行事で芸能の基盤を示すもの

6 無形の民俗文化財のうち民俗芸能に係るもので次の各号の一に該当し、特に重要なもの

(1) 芸能の発生又は成立を示すもの

(2) 芸能の変遷の過程を示すもの

(3) 地域的特色を示すもの

(宇治市指定史跡名勝天然記念物)

第6条 宇治市指定史跡名勝天然記念物の指定の基準は、第2項から第4項までに定めるところによるものとする。

2 史跡 次の各号に掲げるもののうち宇治市の歴史、地理を正しく理解するために重要なもので、かつ、その遺跡の規模、遺構、出土遺物等において、学術上価値あるもの

(1) 貝塚、遺物包含地、住居跡、古墳、その他この種類の遺跡

(2) 城跡、古戦場その他政治に関する遺跡

(3) 社寺の跡又は旧境内、経塚、磨崖仏その他祭祀信仰に関する遺跡

(4) 聖廟に関する遺跡

(5) 社会事業に関する遺跡

(6) 一里塚、里制跡、堤防、窯跡その他産業、交通、土木に関する遺跡

(7) 墳墓、標碑

(8) 旧宅、井泉、樹石及び特に由緒のある地域の類

(9) 外国及び外国人に関する遺跡

3 名勝 次の各号に掲げるもののうち宇治市の誇る風土美として重要なものであつて、その自然的なものにおいては、風致景観の優れたもの、名所的又は学術的価値の高いもの、また人文的なものにおいては、芸術的又は学術的価値の高いもの

(1) 公園、庭園

(2) 橋梁、築堤

(3) 花樹、花草、紅葉等特定樹の叢生する場所

(4) 鳥獣、魚虫等の棲息する場所

(5) 岩石、洞穴

(6) 峡谷、溪流、深淵

(7) 湧泉、湿原

(8) 山岳、丘陵、高原、平原、河川

(9) 展望地点

4 天然記念物 次の各号に掲げる動物植物及び地質鉱物のうち学術上貴重なもので宇治市の自然を記念するもの

(1) わが国特有の動物で、著名なもの及びその棲息地

(2) 宇治市産の著名な動物として、その保存を必要とするもの及びその棲息地

(3) 自然環境における特有な動物又は動物群しゆう

(4) 宇治市特有な畜養動物

(5) 特に貴重な動物の標本

(6) 名木、巨樹、老樹、畸形木、栽培植物の原木、並木

(7) 代表的原始林、森林植物相

(8) 特殊岩石地、植物群落

(9) 珍奇な水草類、藻類、蘚苔類、微生物等の生ずる地域

(10) 着生草木の著しく発生する岩石又は樹木

(11) 絶滅に瀕した植物の自生地

(12) 岩石、鉱物及び化石の産出地

(13) 地層の整合及び不整合

(14) 生物の働きによる地質現象

(15) 地震断層など地塊運動による現象

(16) 洞穴

(17) 岩石の組織

(18) 風化及び侵蝕に関する現象

(19) 氷雪霜の営力による現象

(20) 特に貴重な岩石、鉱物及び化石の標本

(21) 保護すべき天然記念物に富んだ代表的な一定の区域

1 この規程は、公布の日から施行する。

2 改正前の宇治市指定文化財指定(認定)の基準に関する規程の規定によりなされた指定又は認定は、この規程の相当規定によりなされた指定又は認定とみなす。

宇治市指定文化財指定(認定)の基準に関する規程

昭和56年10月1日 教育委員会告示第19号

(昭和56年10月1日施行)