○宇治市ペット霊園等の設置の許可等に関する条例
令和7年6月30日
条例第24号
(目的)
第1条 この条例は、ペット霊園の設置及び管理並びに移動火葬車両による火葬が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障なく行われるために必要な事項を定めるとともに、これらの利用者に提供する役務において講ずべき措置を定めることにより、良好な生活環境の保全及び利用者の保護に資することを目的とする。
(1) ペット 愛玩するために飼養される犬、猫その他の動物をいう。
(2) 墳墓 ペットの焼骨を埋蔵する施設をいう。
(3) 墓地 墳墓を設置するための区域をいう。
(4) 納骨堂 ペットの焼骨を収蔵する施設をいう。
(5) 火葬 ペットの死体を葬るためにこれを焼くことをいう。
(6) 火葬施設 火葬を行うための設備(以下「火葬設備」という。)を有する施設(移動火葬車両を除く。)をいう。
(7) ペット霊園 墓地、納骨堂、火葬施設又はこれらを併せ有する施設をいう。ただし、専ら自己の用に供するためにこれらの施設を設置するものを除く。
(8) 移動火葬車両 火葬設備を搭載した車両をいう。
(9) 移動火葬 移動火葬車両による火葬をいう。
(10) 移動火葬業 移動火葬を行う業をいう。
(13) 住宅等 住宅、学校、児童福祉施設、病院、図書館、公民館、老人福祉施設、介護保険施設及び障害者支援施設をいう。
(ペット霊園等事業者の責務)
第3条 ペット霊園等事業者は、その事業を行うに際しては、当該事業に係る役務の提供を受ける者(以下「利用者」という。)の心情に十分に配慮するとともに、周辺の生活環境の保全に努めなければならない。
(埋葬の禁止)
第4条 ペット霊園においては、ペットの死体を土中に葬つてはならない。
(設置等の許可)
第5条 市内にペット霊園を設置しようとする者は、あらかじめ市長の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けた者は、許可を受けた墓地の区域を拡大し、又は納骨堂若しくは火葬施設を増設し、若しくは変更しようとするときは、市長の許可を受けなければならない。
(事前協議)
第6条 前条の許可(以下「設置等許可」という。)の申請をしようとする者(以下「申請予定者」という。)は、当該申請をしようとする日(以下「申請予定日」という。)の90日前までに、規則で定めるところにより、事前協議書を提出し、設置等許可に係る計画(以下「設置等計画」という。)について市長と協議しなければならない。
(標識の設置)
第7条 前条の事前協議書を提出した申請予定者は、申請予定日の60日前までに、規則で定めるところにより、計画区域内の見やすい場所に、その概要を示す標識を設置しなければならない。
2 申請予定者は、前項の規定により標識を設置したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(説明会の開催等)
第8条 前条第2項の規定による届出をした申請予定者は、申請予定日の30日前までに、設置等計画について、規則で定めるところにより、近隣住民等に対し、説明会を開催しなければならない。この場合において、申請予定者は、近隣住民等の理解を得られるよう努めなければならない。
2 申請予定者は、近隣住民等の意見を踏まえ、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(設置等許可の申請等)
第9条 設置等許可を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、規則で定めるところにより、第6条の規定による協議を終了した日から起算して1年以内に、次に掲げる事項を記載した申請書に規則で定める書類及び図面を添えて、市長に申請しなければならない。
(1) 申請者の氏名及び住所(法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) ペット霊園の名称
(3) ペット霊園の所在地及び区域の面積
(4) 施設の種類及び構造
(5) その他規則で定める事項
(1) 申請者が次のいずれにも該当しないこと。
ア 宇治市暴力団排除条例(平成25年宇治市条例第43号)第2条第4号に規定する暴力団員等又は同条第5号の暴力団密接関係者でなくなつた日から5年を経過しない者
イ 事業の実施に関して、不正な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
ウ 法人で、アに規定する者が当該法人の事業活動に関わつているもの
エ 破産者で復権を得ないもの
2 市長は、前項の設置等許可をする場合は、この条例の目的を達成するために必要な限度において条件を付することができる。
(ペット霊園の設置場所の基準)
第11条 ペット霊園の設置場所の基準は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 住宅等の敷地の境界線からの水平距離が100メートル以上離れていること。
(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号に規定する第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域及び準住居地域の境界線から水平距離が100メートル以上離れていること。
(3) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)及び京都府文化財保護条例(昭和56年京都府条例第27号)の規定に基づき指定され、又は登録された建造物並びに宇治市文化財指定条例(昭和44年宇治市条例第11号)の規定に基づき指定された建造物の敷地の境界線からの水平距離が100メートル以上離れていること。
(4) 宇治市風致地区条例(平成26年宇治市条例第33号)第2条に規定する特別風致地区の境界線からの水平距離が100メートル以上離れていること。
(5) 申請者が当該計画区域の土地の所有権を有し、かつ、当該土地に所有権以外の権利が設定されていないものであること。
(1) 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第10条の規定による墓地の経営の許可を受けた者が、当該許可を受けた区域を含む一の土地において、墓地を設置し、若しくは当該区域を拡大し、又は納骨堂を設置し、増設し、若しくは変更する場合
(2) 墓地、埋葬等に関する法律第10条の規定による納骨堂の経営の許可を受けた者が、当該許可に係る納骨堂を含む一の土地において、納骨堂を設置し、増設し、又は変更する場合
(ペット霊園の構造設備の基準)
第12条 ペット霊園の構造設備の基準は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 外部から墓地、納骨堂又は火葬施設を見通すことができないようにするための密植した垣根、障壁等が設けられていること。
(2) 墓地に雨水その他の地表水が停滞しないようにするための排水施設が設けられていること。
(3) ペット霊園の区域内に、必要に応じ、管理事務所、便所、給水施設及びごみ集積所その他の施設を設けること。
(4) 火葬施設は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 空気取入口及び煙突の先端以外に燃焼室内と外気とが焼却時に接することなく、燃焼室において発生するガス(以下「燃焼ガス」という。)の温度が摂氏800度以上の状態で焼却できるものであること。
イ 燃焼に必要な量の空気の通風が行われるものであること。
ウ 燃焼室内の燃焼ガスの温度を測定するための装置が設けられていること。
エ 燃焼ガスの温度を保つために必要な助燃装置が設けられていること。
オ 二次燃焼室(ばい煙及び悪臭を防止するため、発生した燃焼ガスを再燃焼させる燃焼室をいう。)又はこれと同等以上の機能を有する装置が設けられていること。
カ 防音及び防じんについて、規則で定める十分な能力を有するものであること。
キ 消火器その他の初期消火に必要な設備
(工事の着手)
第13条 設置者は、当該設置等許可に係る工事に着手しようとするときは、規則で定めるところにより、当該工事の着手の日から30日前までに、市長に届け出なければならない。
(工事の完了の検査等)
第14条 設置者は、正当な理由がある場合を除き、設置等許可を受けた日から3年以内に、当該設置等許可に係る工事を完了しなければならない。
2 設置者は、前項の工事が完了したときは、規則で定めるところにより、速やかに市長に届け出なければならない。
4 設置者は、前項の規定による通知の後でなければ、ペット霊園を使用し、又は使用させてはならない。
(軽微な変更の届出)
第15条 設置者は、設置したペット霊園に規則で定める軽微な変更をしたときは、その変更をした日から30日以内に、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。
(維持管理)
第16条 設置者は、第12条の基準に従い、設置したペット霊園を維持管理しなければならない。
(地位の承継)
第17条 設置者からペット霊園を譲り受けた者は、当該設置者の地位を承継する。
2 相続人、合併又は分割により設立される法人その他の一般承継人(分割による承継の場合にあつては、設置等許可に係るペット霊園を承継する法人に限る。)は、当該許可を受けた者の地位を承継する。
3 前2項の規定により設置者の地位を承継した者は、その承継があつた日から30日以内に、別で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(移動火葬業の許可)
第18条 移動火葬業を行おうとする者(本市の区域内において、移動火葬を行う者に限る。)は、あらかじめ市長の許可を受けなければならない。
(移動火葬業の許可の申請等)
第19条 前条の許可を受けようとする者(以下「移動火葬業の許可申請者」という。)は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に規則で定める書類及び図面を添えて、市長に申請しなければならない。
(1) 移動火葬業の許可申請者の氏名及び住所(法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 移動火葬車両の台数及び火葬設備の構造
(3) 移動火葬車両の保管場所及び保管方法
(4) その他規則で定める事項
(移動火葬業の許可の基準)
第20条 市長は、前条の規定による申請があつた場合において、当該申請が第10条第1項第1号及び第12条第4号に掲げる基準に適合していると認めるときに限り、許可を行うものとする。
(移動火葬車両の使用の制限等)
第21条 移動火葬業者は、移動火葬車両の使用に際し、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 移動火葬車両に、移動火葬業者の氏名(法人にあつては、その名称)、連絡先及び第18条の許可を受けている旨を容易に確認できるよう、規則で定めるところにより表示すること。
(2) 移動火葬を行う際は、移動火葬車両を走行させないこと。
(3) 収納(移動火葬車両の火葬設備にペットの死体を収めることをいう。以下同じ。)又は収骨(移動火葬車両の火葬設備から焼骨を取り出すことをいう。以下同じ。)を行うときは、次の措置を講ずること。
ア 火葬炉の内部、ペットの死体及び焼骨を公衆の目に触れさせないような措置(収納又は収骨を行う場所に隣接する土地の区域内の居住者の目に触れさせないような措置を含む。ただし、当該居住者であつて、収納又は収骨を行う場所が見えるものの同意が得られている場合は、この限りでない。)
イ 臭気の発生を抑制する措置
(4) 収納又は収骨を行う場所は、住宅等(住宅を除く。)、道路、河川、公園その他の公共施設の敷地でないこと。ただし、別に定める場合は、この限りでない。
(5) 移動火葬を行う敷地の境界線からの水平距離が100メートルの範囲内の土地の所有者に移動火葬車両の使用を周知すること。
(6) 市内において移動火葬を行う場所は、次のいずれにも該当するものであること。
ア 移動火葬業者が所有している土地であること。ただし、移動火葬を行う土地の所有者が移動火葬を行う場所として使用すること及び当該移動火葬に起因する損害賠償等が生じた場合であつて、移動火葬業者と連帯してその責を負うことを承諾しているときは、この限りでない。
イ 現に人が住居に使用し、又は現に人がいる建造物がある敷地の境界線からの水平距離が100メートル以上離れている場所であること。
(1) 反復して移動火葬を行う場所でないこと。
(2) 移動火葬を行う土地の所有者又は管理者が、移動火葬を行うことを承諾していること。
(3) 移動火葬を行う場所に隣接する土地の区域内の居住者であつて、移動火葬を行う場所が見えるものに対し、移動火葬を行うことを周知していること。
(4) 移動火葬を行う場所が集合住宅の敷地内であるときは、当該集合住宅の居住者に周知していること。
(移動火葬業の変更の許可等)
第22条 移動火葬業者は、第19条第2号に掲げる事項(移動火葬車両の台数の減少に係るものを除く。)の変更をしようとするときは、あらかじめ市長の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、規則で定める申請書に規則で定める書類及び図面を添えて、市長に申請しなければならない。
(適正な営業)
第23条 移動火葬業者は、第20条に掲げる基準に従い、移動火葬業を営まなければならない。
(移動火葬業に係る地位の承継)
第24条 第17条の規定は、移動火葬業者の地位の承継について準用する。
(ペット霊園等事業者の遵守事項)
第25条 ペット霊園等事業者は、次の事項を遵守しなければならない。
(1) ペットの死体及び焼骨を丁寧に取り扱うとともに、衛生的に管理すること。
(2) 利用者に対して、あらかじめ、利用の条件、手続及び料金、ペットの死体及び焼骨の取扱いの方法その他の役務の提供に関する事項について説明すること。
(3) 利用者ごとに前号に関係する書類を作成し、当該利用者がペット霊園の利用を終えるまでの間保管すること。
(1) 墓地を廃止し、若しくはその区域を縮小し、又は納骨堂を廃止しようとする場合 廃止し、又は縮小しようとする日の30日前の日
(2) 火葬施設又は移動火葬業を廃止した場合 廃止した日から14日を経過する日
2 墓地を廃止し、若しくはその区域を縮小し、又は納骨堂を廃止しようとする者は、あらかじめ、利用者にその旨を説明するとともに、当該墓地の墳墓又は納骨堂に存する焼骨を他の墳墓又は納骨堂に移すことその他利用者の心情に配慮した対応に努めなければならない。
3 ペット霊園等事業者は、ペット霊園を廃止したときは、原状回復その他の必要な措置を講じなければならない。
(勧告及び命令)
第27条 市長は、ペット霊園等事業者が次の各号のいずれかに該当すると認める場合は、その者に対し、期限を定めて、必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
(1) この条例の規定に違反していると認めるとき。
(2) 設置等許可又は移動火葬業の許可若しくは変更の許可に付した条件に違反していると認めるとき。
2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由がなく当該勧告に係る措置をとらなかつた場合であつて、特に必要があると認めるときは、当該勧告を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、当該勧告に係る措置を講ずるよう命ずることができる。
(許可の取消し)
第28条 市長は、ペット霊園等事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、設置等許可又は移動火葬業の許可若しくは変更の許可を取り消すことができる。
(1) 偽りその他不正の手段により設置等許可又は移動火葬業の許可若しくは変更の許可を受けたとき。
(2) 第10条第1項第1号のいずれかに該当するに至つたとき。
(3) 前条第2項の規定による命令に違反したとき。
(禁止命令)
第29条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、ペットの死体の除去又は当該ペット霊園若しくは移動火葬車両の使用の禁止を命ずることができる。
(1) 第4条の規定に違反した者
(2) 第5条の規定に違反して、設置等許可を受けずにペット霊園を設置し、又は変更をした者
(3) 第18条の規定に違反して、移動火葬業の許可を受けずに移動火葬車両を使用して移動火葬を行つた者
(報告の徴収)
第31条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、ペット霊園等事業者に対し、ペット霊園の設置等又は維持管理、移動火葬業の営業の状況その他必要な事項について報告又は資料の提出を求めることができる。
(立入調査等)
第32条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、市長が指定する職員に、ペット霊園等事業者の事務所その他の施設に立ち入り、その状況を調査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(委任)
第33条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和7年7月1日から施行する。
(現に存するペット霊園に係る経過措置)
2 この条例の施行の際現に存するペット霊園を設置し、若しくは設置の工事を行つている者又は墓地の区域を拡大し、若しくは納骨堂若しくは火葬施設を増設し、若しくは変更するための工事を行つている者(以下「ペット霊園設置者」という。)がこの条例の施行の日(以下「施行日」という。)から令和7年12月31日までの間に、別で定めるところにより、その旨を市長に届け出た場合に限り、当該ペット霊園は、設置等許可を受けたペット霊園とみなす。この場合においては、ペット霊園設置者は、第12条に掲げる基準に従い、当該ペット霊園を維持管理するよう努めなければならない。
(現に移動火葬業を行つている者に係る経過措置)
4 この条例の施行の際現に移動火葬業を行つている者は、施行日から令和7年12月31日までの間に限り、第18条の規定にかかわらず、引き続き当該事業を行うことができる。