○宇治市文化財指定条例

昭和44年4月16日

条例第11号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき法及び京都府文化財保護条例(昭和56年京都府条例第27号。以下「府条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、市の区域内に存するもののうち重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて市民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。

(文化財の定義)

第2条 この条例において「文化財」とは、次の各号に掲げるものをいう。

(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他有形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)

(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)

(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗習慣、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で市民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)

(4) 貝づか、古墳、城跡、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋りよう、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)

(市民の心構え)

第2条の2 市民は、市がこの条例の規定に基づき行う措置に誠実に協力しなければならない。

2 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。

3 教育委員会は、この条例の執行に当たつて、関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。

第2章 宇治市指定有形文化財

(指定)

第3条 宇治市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、市の区域内に存する有形文化財(法第27条第1項の規定により重要文化財に指定されたもの及び府条例第7条第1項の規定により京都府指定有形文化財に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち重要なものを宇治市指定有形文化財(以下「指定有形文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ指定しようとする有形文化財の所有者又は権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、当該有形文化財の所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。

3 第1項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ宇治市文化財保護委員会条例(昭和43年宇治市条例第9号)第1条に規定する宇治市文化財保護委員会(以下「保護委員会」という。)に諮問しなければならない。

4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該有形文化財の所有者及び権原に基づく占用者に通知してする。ただし、当該有形文化財の所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。

5 第1項の規定による指定は、前項の規定による告示があつた日からその効力を生ずる。

6 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。

(解除)

第4条 指定有形文化財が指定有形文化財としての価値を失つた場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による指定の解除には、前条第3項から第5項までの規定を準用する。

3 指定有形文化財が、法第27条第1項の規定による重要文化財として指定されたとき又は府条例第7条第1項の規定による京都府指定有形文化財として指定されたときは、当該指定有形文化財の指定は解除されたものとする。

4 前項の場合には、教育委員会は、速やかにその旨を告示するとともに、当該指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。

5 第2項で準用する前条第4項の規定による指定有形文化財の指定の解除の通知を受けたとき、及び前項の規定による通知を受けたときは、当該指定有形文化財の所有者は、速やかに指定有形文化財の指定書を教育委員会に返付しなければならない。

(管理方法の指示)

第4条の2 教育委員会は、指定有形文化財の所有者に対し、当該指定有形文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。

(所有者の管理義務及び管理責任者)

第5条 指定有形文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、指定有形文化財を管理しなければならない。

2 指定有形文化財の所有者は、特別の事情があるときは、もつぱら自己に代わり、当該指定有形文化財の管理の責めに任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、指定有形文化財の所有者は、当該管理責任者と連署のうえ、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。

4 管理責任者には、前条及び第1項の規定を準用する。

(所有者等の変更)

第6条 指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は旧所有者に対し交付された指定書を添えて、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 指定有形文化財の所有者は、管理責任者を変更したときは、新管理責任者と連署のうえ、速やかに教育委員会に届け出なければならない。

3 指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。この場合において、当該変更が所有者に係るものであるときは、届出の際指定書を添えなければならない。

(管理団体による管理)

第6条の2 指定有形文化財につき、当該指定有形文化財の所有者が判明しない場合又は所有者若しくは管理責任者による管理が著しく困難若しくは不適当であると明らかに認められる場合には、教育委員会は適当な団体を指定して、当該指定有形文化財の保存のため必要な管理(当該指定有形文化財の保存のため必要な施設、設備その他の物件で当該指定有形文化財の所有者の所有又は管理に属するものの管理を含む。)を行わせることができる。

2 教育委員会は、前項に規定する指定をするにあたり、あらかじめ当該指定有形文化財の所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基づく占有者並びに指定しようとする団体の同意を得なければならない。

3 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、前項に規定する所有者、占有者及び団体に通知してする。

4 第1項の規定による指定には、第3条第5項の規定を準用する。

5 第1項の規定による指定を受けた団体(以下この章において「管理団体」という。)には、第4条の2及び第5条第1項の規定を準用する。

(管理団体の指定の解除)

第6条の3 前条第1項に規定する理由が消滅した場合その他特殊な理由があるときは、教育委員会は、管理団体の指定を解除することができる。

2 前項の規定による解除には、前条第3項及び第3条第5項の規定を準用する。

(管理団体の管理の費用)

第6条の4 管理団体が行う管理に要する費用は、この条例に特別の定めがある場合を除き、管理団体の負担とする。

2 前項の規定は、管理団体と当該管理団体の管理する指定有形文化財の所有者との協議により、管理に要する費用の全部又は一部を当該所有者の負担とすることを妨げるものではない。

(滅失及び損傷)

第7条 指定有形文化財の全部若しくは一部が滅失し、若しくは損傷し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者又は管理団体がある場合は、その者)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

(所在の変更)

第8条 指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、当該指定有形文化財の所有者(管理責任者又は管理団体がある場合は、その者)は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則の定める場合には、届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもつて足りる。

(修理)

第8条の2 指定有形文化財の修理は、当該指定有形文化財の所有者が行うものとする。ただし、管理団体がある場合は、当該管理団体が行うものとする。

(管理団体による修理)

第8条の3 管理団体が指定有形文化財の修理を行う場合は、当該管理団体は、あらかじめ、その修理の方法及び時期について当該指定有形文化財の所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基づく占有者の意見を聞かなければならない。

2 前項の規定による修理には、第6条の4の規定を準用する。

(管理又は修理の補助)

第9条 指定有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、当該指定有形文化財の所有者又は管理団体がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、市は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者又は管理団体に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。

(補助金の返還等)

第10条 前条第1項の規定による補助金の交付を受ける所有者又は管理団体が次の各号の一に該当するに至つたときは、市は、当該補助金の全部若しくは一部を交付せず、又は当該所有者に対し既に交付された補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。

(1) 管理又は修理に関し、この条例又はこの条例に基づく教育委員会規則に違反したとき。

(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。

(3) 前条第2項の補助の条件又は指揮監督に従わなかつたとき。

(4) その他事業の実施方法が補助金の交付の主旨に反すると認められるとき。

(管理又は修理に関する勧告)

第11条 指定有形文化財の管理が適当でないため、当該指定有形文化財が滅失し、損傷し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者、管理責任者又は管理団体に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。

2 指定有形文化財が損傷している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、教育委員会は、当該指定有形文化財の所有者又は管理団体に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。

3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を市の負担とすることができる。

4 前項の規定により市が費用を負担する場合には、第9条第2項及び第10条の規定を準用する。

(有償譲渡の場合の納付金)

第12条 市が修理又は管理に関する必要な措置(以下この条において「修理等」という。)につき第9条第1項の規定により補助金を交付し、又は前条第3項の規定により費用を負担した指定有形文化財のその当時における所有者又はその相続人、受遺者若しくは受贈者(以下この条において「所有者等」という。)は、補助又は費用負担に係る修理等が行われた後当該指定有形文化財を有償で譲り渡した場合においては、当該補助金又は負担金の額の合計額から当該修理等が行われた後当該指定有形文化財の修理等のため自己の費した金額を控除して得た金額を市に納付しなければならない。

2 前項に規定する「補助金又は負担金の額」とは、補助金又は負担金の額を、補助又は費用負担に係る修理等を施した指定有形文化財又はその部分につき教育委員会が定める耐用年数で除して得た金額に、更に当該耐用年数から修理等を行つたとき以後指定有形文化財の譲渡の時までの年数を控除した残余の年数(1年に満たない部分については、これを切り捨てる。)を乗じて得た金額に相当する金額とする。

3 補助又は費用負担に係る修理等が行われた後、指定有形文化財を市に譲り渡した場合その他特別の事情のある場合には、市は、第1項の規定により納付すべき金額の全部又は一部を免除することができる。

(現状変更等の制限)

第13条 指定有形文化財の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更で教育委員会規則の定める範囲の維持の措置若しくは非常災害のために必要な応急措置を執る場合又は保存に影響を及ぼす行為で影響の軽微である場合は、この限りでない。

2 教育委員会は、前項の許可を与える場合において、その許可条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

3 第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかつたときは、教育委員会は、許可に係る現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

4 第1項の許可を受けることができなかつたことにより、又は第2項の許可を条件を付せられたことにより損失を受けた者に対しては、市は、その通常生ずべき損失を補償する。

(修理の届出等)

第14条 指定有形文化財を修理しようとするときは、当該指定有形文化財の所有者又は管理団体は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第9条第1項の規定による補助金の交付、第11条第2項の規定による勧告又は前条第1項の規定による許可を受けて修理を行う場合は、この限りでない。

2 指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導と助言を与えることができる。

(環境保全)

第14条の2 教育委員会は、指定有形文化財の保全のため必要があると認めるときは、地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止し、又は必要な施設をすることを命ずることができる。

2 前項の規定による処分により損失を受けた者に対しては、市はその通常生ずべき損失を補償する。

(公開)

第14条の3 指定有形文化財の公開は、当該指定有形文化財の所有者が行うものとする。ただし、管理団体がある場合は、当該管理団体が行うものとする。

2 前項の規定は、所有者又は管理団体の出品に係る指定有形文化財を、当該所有者及び管理団体以外の者が、公開の用に供することを妨げるものではない。

(公開及び出品の勧告)

第15条 教育委員会は、指定有形文化財の所有者又は管理団体に対し、期間を限つて、教育委員会の行う公開の用に供するため、当該指定有形文化財を出品することを勧告することができる。

2 教育委員会は、指定有形文化財の所有者又は管理団体に対し、期間を限つて、当該指定有形文化財の公開を勧告することができる。

3 第1項の規定による出品のために必要な経費は、市の負担とし、前項の規定による公開のために必要な経費は、予算の範囲内でその全部を又は一部を市の負担とすることができる。

4 市は、第1項の規定により出品した所有者に対し、予算の範囲内で出品料を支払うことができる。

5 教育委員会は、第1項の規定により指定有形文化財が出品されたときは、当該指定有形文化財の管理の責めに任ずべき者を定めなければならない。

6 教育委員会は、指定有形文化財の所有者又は管理団体に対し、第2項の規定による公開及び当該公開に係る指定有形文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。

7 第1項又は第2項の規定により出品し、又は公開したことに起因して、当該指定有形文化財が滅失し、又は損傷したときは、市は、当該指定有形文化財の所有者に対し、通常生ずべき損失を補償する。ただし、所有者、管理責任者又は管理団体の責めに帰すべき理由によつて滅失し、又は損傷した場合は、この限りでない。

(勧告によらない公開)

第15条の2 前条第1項及び第2項の規定による公開の場合を除き、指定有形文化財の所在の場所を変更してこれを公衆の観覧に供するため第8条の規定による届出があつた場合には、前条第6項の規定を準用する。

(所有者等以外の者による公開)

第16条 教育委員会は、文化財保護関係団体等が、指定有形文化財の公開等を行うとき、公開及び当該公開に係る指定有形文化財の管理について、必要な指示をすることができる。

(報告)

第17条 教育委員会は、必要があると認めるときは、指定有形文化財の所有者、管理責任者又は管理団体に対し、当該指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(所有者等の変更に伴う権利義務の継承)

第18条 指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該指定有形文化財に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を継承する。

2 前項の場合には、旧所有者は、当該指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。

3 管理団体が指定され、又はその指定が解除された場合には、第1項の規定を準用する。ただし、管理団体が指定された場合には、もつぱら所有者に属すべき権利義務については、この限りでない。

第3章 宇治市指定無形文化財

(指定)

第19条 教育委員会は、市の区域内に存する無形文化財(法第56条の3第1項の規定により重要無形文化財に指定されたもの及び府条例第30条第1項の規定により京都府指定無形文化財に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち重要なものを宇治市指定無形文化財(以下「指定無形文化財」という。)に指定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による指定をするに当たつては、当該指定無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となつている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 第1項の規定による指定又は前項の規定による認定をするには、教育委員会は、あらかじめ保護委員会に諮問しなければならない。

4 第1項の規定による指定又は第2項の規定による認定は、その旨を告示するとともに、当該指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあつては、その代表者)に通知してする。

5 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、当該指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、その者を保持者又は保持団体として追加認定することができる。

6 前項の規定による追加認定には、第3項及び第4項の規定を準用する。

7 第2項又は第5項の規定による認定をしたときは、教育委員会は、当該指定無形文化財の保持者又は保持団体に認定書を交付しなければならない。

(解除)

第20条 指定無形文化財が、指定無形文化財としての価値を失つた場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつた場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。

3 第1項の規定による指定の解除又は前項の規定による認定の解除には、前条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による指定の解除又は第2項の規定による認定の解除は、その旨を告示するとともに、当該指定無形文化財の保持者又は保持団体の代表者に通知してする。

5 指定無形文化財について法第56条の3第1項の規定による重要無形文化財としての指定があつたとき又は府条例第30条第1項の規定による京都府指定無形文化財の指定があつたときは、当該指定無形文化財の指定並びに保持者及び保持団体の認定は、解除されたものとする。

6 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該指定無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。

7 保持者が死亡したとき又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この条及び次条において同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき又は保持団体のすべてが解散したときは、指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合には、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

8 第2項第5項又は第7項の規定による認定の解除を受けたときは、当該指定無形文化財の保持者又は保持団体であつたものは、速やかに、指定無形文化財の認定書を教育委員会に返付しなければならない。

(保持者、保持団体の氏名変更等)

第21条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したときその他教育委員会規則で定める理由があるときは、指定無形文化財の保持者又はその相続人は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあつては、代表者であつた者)について、同様とする。

(保存)

第22条 教育委員会は、指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、当該指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、市は、指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認めるものに対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により交付する補助金については、第9条第2項及び第10条の規定を準用する。

(公開)

第23条 教育委員会は、指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し当該指定無形文化財の公開を、指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。

2 前項の規定による指定無形文化財の公開には、第15条第3項及び第6項の規定を準用する。

3 市は、第1項の規定による指定無形文化財の記録の公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

4 前項の規定により補助金を交付する場合には、第9条第2項及び第10条の規定を準用する。

(保存に関する助言又は勧告)

第24条 教育委員会は、指定無形文化財の保持者、保持団体その他指定無形文化財の保持に当たることを適当と認めるものに対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

第4章 宇治市指定有形民俗文化財・宇治市指定無形民俗文化財

(指定)

第25条 教育委員会は、市の区域内に存する有形の民俗文化財(法第56条の10第1項の規定により重要有形民俗文化財に指定されたもの及び府条例第36条第1項の規定により京都府指定有形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち重要なものを宇治市指定有形民俗文化財(以下「指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財(法第56条の10第1項の規定により重要無形民俗文化財に指定されたもの及び府条例第36条第1項の規定により京都府指定無形民俗文化財に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち重要なものを宇治市指定無形民俗文化財(以下「指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定有形民俗文化財の指定には、第3条第2項から第6項までの規定を準用する。

3 第1項の規定による指定無形民俗文化財の指定には、第19条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による指定無形民俗文化財の指定は、その旨を告示してする。

(解除)

第26条 指定有形民俗文化財又は指定無形民俗文化財が指定有形民俗文化財又は指定無形民俗文化財としての価値を失つた場合その他特殊な理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による指定有形民俗文化財の指定の解除には、第4条第2項及び第5項の規定を準用する。

3 第1項の規定による指定無形民俗文化財の指定の解除には、第20条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による指定無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を告示してする。

5 指定有形民俗文化財又は指定無形民俗文化財について、法第56条の10第1項の規定による重要有形民俗文化財若しくは重要無形民俗文化財の指定があつたとき又は府条例第36条第1項の規定による京都府指定有形民俗文化財若しくは京都府指定無形民俗文化財の指定があつたときは、当該指定有形民俗文化財又は指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。

6 前項の場合の指定有形民俗文化財の指定の解除には、第4条第4項及び第5項の規定を準用する。

7 第5項の場合の指定無形民俗文化財の指定の解除については、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(保護)

第27条 指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し、必要な指示をすることができる。

(準用規定)

第28条 第4条の2から第12条まで、第14条及び第14条の3から第18条までの規定は、指定有形民俗文化財について準用する。

(指定無形民俗文化財の保存)

第28条の2 教育委員会は、指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、指定無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、市は、その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合には、第9条第2項及び第10条の規定を準用する。

(指定無形民俗文化財の記録の公開)

第28条の3 教育委員会は、指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。

2 前項の規定による公開には、第23条第3項及び第4項の規定を準用する。

(指定無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)

第28条の4 教育委員会は、指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

(指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録の作成等)

第29条 教育委員会は、指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要のあるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、又は公開することができるものとし、市は、適当な者に対し、当該無形の民俗文化財の公開又はその記録の作成、保存若しくは公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定による選択には、第19条第3項の規定を準用する。

3 第1項の規定により補助金を交付する場合には、第9条第2項及び第10条の規定を準用する。

第5章 宇治市指定史跡名勝天然記念物

(指定)

第30条 教育委員会は、市の区域内に存する記念物(法第69条第1項の規定により史跡、名勝又は天然記念物に指定されたもの及び府条例第43条第1項の規定により京都府指定史跡、京都府指定名勝又は京都府指定天然記念物に指定されたものを除く。)のうち重要なものを宇治市指定史跡、宇治市指定名勝又は宇治市指定天然記念物(以下「指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定には、第3条第2項から第5項までの規定を準用する。

3 前項において準用する第3条第4項の規定により通知すべき相手方が著しく多数で個別に通知し難い事情がある場合には、教育委員会は、同項の規定による通知に代えて、その通知すべき事項を別に教育委員会の指定する場所に掲示することができる。この場合においては、その掲示を始めた日から2週間を経過したときに同項の規定による通知が相手方に到達したものとみなす。

(解除)

第31条 指定史跡名勝天然記念物が指定史跡名勝天然記念物としての価値を失つた場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 指定史跡名勝天然記念物について法第69条第1項の規定による史跡、名勝若しくは天然記念物の指定があつたとき又は府条例第43条第1項の規定による京都府指定史跡、京都府指定名勝若しくは京都府指定天然記念物の指定があつたときは、当該指定史跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。

3 第1項の規定による指定の解除には、第4条第2項及び前条第3項の規定を、前項の場合には、第4条第4項及び前条第3項の規定を準用する。

(管理団体による管理及び復旧)

第31条の2 指定史跡名勝天然記念物につき、所有者がいない場合若しくは判明しない場合又は所有者若しくは第35条において準用する第5条第2項の規定により選任された管理の責めに任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)による管理が著しく困難若しくは不適当であると明らかに認められる場合には、教育委員会は、適当な団体を指定して、当該指定史跡名勝天然記念物の保存のため必要な管理及び復旧(当該指定史跡名勝天然記念物の保存のため必要な施設、設備その他の物件で当該指定史跡名勝天然記念物の所有者の所有又は管理に属するものの管理及び復旧を含む。)を行わせることができる。

2 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ指定しようとする団体の同意を得なければならない。

3 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該指定史跡名勝天然記念物の所有者及び権原に基づく占有者並びに指定しようとする団体に通知してする。

4 第1項の規定による指定には、第3条第5項及び第30条第3項の規定を準用する。

5 第1項の規定により指定を受けた団体(以下この章において「管理団体」という。)が復旧を行う場合には、当該管理団体は、あらかじめ、その復旧の方法及び時期について、当該指定史跡名勝天然記念物の所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基づく占有者の意見を聞かなければならない。

6 管理団体が行う管理には、第4条の2及び第5条第1項の規定を準用する。

(管理団体の解除)

第31条の3 前条第1項の規定する理由が消滅した場合その他特殊な理由があるときは、教育委員会は、管理団体の指定を解除することができる。

2 前項の規定による解除には、前条第3項及び第3条第5項並びに第30条第3項の規定を準用する。

(管理団体の管理の費用)

第31条の4 管理団体が行う指定史跡名勝天然記念物の管理及び復旧に要する費用は、この条例に特別の定めのある場合を除き、当該管理団体の負担とする。

2 前項の規定は、管理団体と当該管理団体の管理する指定史跡名勝天然記念物の所有者との協議により、管理又は復旧に要する費用の一部を当該所有者の負担とすることを妨げるものではない。

(標識等の設置)

第32条 指定史跡名勝天然記念物の所有者又は管理団体は、教育委員会規則の定める基準により、指定史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、さくその他の施設を設置するものとする。

(土地の所在等の異動の届出)

第33条 指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があつたときは、当該指定史跡名勝天然記念物の所有者(管理団体又は第35条で準用する第5条第2項の規定により選任した管理責任者がある場合は、そのもの)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

(現状変更等の制限)

第34条 指定史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更で教育委員会規則の定める範囲の維持の措置若しくは非常災害のために必要な応急措置を執る場合、又は保存に影響を及ぼす行為で影響の軽微である場合は、この限りでない。

2 前項の規定による許可を与える場合には、第13条第2項及び第3項の規定を準用する。

3 第1項の許可を受けることができなかつたことにより、又は前項で準用する第13条第2項の許可の条件を付せられたことによつて損失を受けた者に対しては、市は、その通常生ずべき損失を補償する。

4 第1項の許可を受けず、又は第2項で準用する第13条第2項の規定による許可の条件に従わないで、指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をした者に対しては、教育委員会は、当該指定史跡名勝天然記念物の原状回復を命ずることができる。この場合には、教育委員会は、当該原状回復に関し必要な指示をすることができる。

(復旧の届出)

第34条の2 指定史跡名勝天然記念物を復旧しようとするときは、当該指定史跡名勝天然記念物の所有者又は管理団体は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、前条第1項の規定により許可を受けなければならない場合は、この限りでない。

2 指定史跡名勝天然記念物の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る復旧に関し技術的な指導と助言を与えることができる。

(環境保全)

第34条の3 教育委員会は、指定史跡名勝天然記念物の保存のため必要があると認めるときは、地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止し、又は必要な施設をすることを命ずることができる。

2 前項の規定による処分によつて損失を受けた者に対しては、市は、その通常生ずべき損失を補償する。

3 第1項の規定による制限又は禁止に違反した者については、第34条第4項の規定を準用する。

(準用規定)

第35条 第4条の2から第6条まで、第7条第9条から第12条まで、第17条並びに第18条第1項及び第3項の規定は、指定史跡名勝天然記念物について準用する。

第6章 補則

(施行規則)

第36条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

(昭和56年条例第25号)

1 この条例は、昭和56年10月1日から施行する。

2 宇治市指定有形文化財の保存に影響を及ぼす行為でこの条例の施行の際現に着手しているものについては、改正後の宇治市文化財指定条例第13条の規定は適用しない。この場合において、当該行為に着手している者は、この条例の施行後遅滞なく、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(昭和59年条例第39号)

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 この条例の施行の際、現に京都府指定有形文化財に指定され、かつ、宇治市指定有形文化財に指定されているものは、改正後の第4条第3項の規定により宇治市指定有形文化財の指定を解除されたものとみなす。

3 前項の場合において、宇治市文化財指定条例第4条第4項及び第5項の規定を準用する。

宇治市文化財指定条例

昭和44年4月16日 条例第11号

(昭和59年7月5日施行)

体系情報
第12編 育/第4章 文化財
沿革情報
昭和44年4月16日 条例第11号
昭和56年7月10日 条例第25号
昭和59年7月5日 条例第39号